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神とビッグバン―科学と信仰への導入―

レポート

6月19日に2回目の特別集会が開催されました。今回のテーマは、「神とビッグバン」。科学と信仰という、一見矛盾するものを、第一線で活動する科学者は、どのように矛盾なく捉えているのだろうか。

最初に語られたのは、「科学者」を目指した理由。気恥ずかしそうに、スタートレックのミスター・スポックを語るクリス氏。それは、何事に対しても論理的に対処する姿勢への憧れであり、同時に、信仰から距離を置くことを意味していた。

しかし、数字などで示されるものだけを信じ進むうちに、宇宙の深淵に説明できないことを発見する。例えば、ビッグバンとその後の星々の動き。重力によって凝縮する方向性を持っておかしくないのに、未だ拡張する宇宙。

そうした謎に対して、「科学」は取得可能な情報から説明をすることを指し、取得不可能な情報が更にあることも否定出来ないし、今現在人間が認識できない事柄が存在することも事実だと痛感することになる。科学は真実を証明するものではなく、取得可能な証拠を論証するものである。

そのことに気づいた氏は、「科学」的な姿勢で聖書と向き合う。例えば、イエスの復活をどう捉えるか、当時の状況、ローマ兵の挙動、弟子たちのその後になっても揺るがない忠誠心。論理的に考えるほどに、イエスの復活は真実だと考えるのが合理的だと判断し、再び信仰の道をたどり始める。

更に、聖書理解が進むに連れ、信仰とは単なる知的活動で終わるものではないことも実感する。人と神との関係、単なる一方通行ではない相互方向の関係性が、最重要項目だと気づく。論理性と関係性。それはある意味矛盾し、ある意味補完するものであるのかも知れない。人智の最前線で宇宙の先を見つめている氏が、生きた関係性を嬉しそうに語る姿が、言葉以上の何かを教えてくれた。

次回以降も、もっと色々な形でチャレンジがされると思います。是非ともご参加下さい。

講師紹介

▼ゲスト2人のプロフィール:

アンナ・ファンセット
英国 国際賞受賞「グランピアン語り部協会」前会長(英語教師)
クリス・ドーン
英国ダラム大学宇宙物理学教授、ブラックホール研究者(JAXA勤務)