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第57回 使徒パウロの宣教 その21


レポート

2月11日に第57回ヨシェルの会が開催されました。出席者は19名。

終末期に於ける信仰者の生き方を、コリント人への手紙から学びます。偉人の足跡を辿るという視点ではなく、一人の信仰者が困難な時代に出会った苦悩と拠り所と決断と心の揺れを学ぶ機会となりました。この二通の書簡を紐解きながら、各書簡の位置付け、衝突や不安や自らが建てた教会への想いを見つめます。諸々の事情や出来事に、押しつぶされそうになりながらも、主の御心を慕い求める葛藤は、現代の私たちと違いはないのではないかと思ってしまいます。語られる師と参加して下さる皆様と主の導きに、只々心から感謝します。

今日のタイトルは「使徒パウロの宣教 その21」。そして最後に少しだけ現在進行中の新型コロナウィルスなど時事問題について触れました。

今回のポイントは、現存する書簡と書簡の間に横たわる文脈。聖句を読み解くだけでなく、その手紙が書かれた背景という行間を読み解くことの大切さを痛感します。独学では辿り着けない領域ですね。二千年もの間、何人もの研究者が解き明かそうとしているパウロの足跡。歴史の重みも感じつつ、衝突と葛藤という、変わらぬ人間の営みが垣間見えます。いわゆる「失われた書簡」について触れ、パウロが時間的順番的にどのように移動し、これらの書簡を書いたのか。聖句の行間を解きほぐしながら講義してくださいました。今回も、聖書自体を先に読んでから聴かれることをお薦めします。

自分で設立した教会で起こってしまった問題、それに取り組むも解決できなかった苦い経験、そして「あの厳しい手紙」。直接出向くことを切望しつつ、それが叶わぬ苛立ち。テトスを使いに出しはするものの、音信不通となり、居ても立ってもいられなくなり、コリントの対岸に位置するトロアスまで向かって行ってしまう取越苦労の心配性。テトスとの再会の喜びと、もう少し足を伸ばせという催促や不満を身に受ける状況…などなど。現代でも普通に起こりうる普通のドラマにさえ見えます。

神は、こうしたパウロの狼狽えぶりを、どのように見つめておられたのでしょう。見つめる眼には、苦々しさや失笑があったのでしょうか。それとも微笑ましくも愛おしく案じていたのでしょうか。御言葉を伝える者が出会う壁は、いや信仰者でなくとも親しい者たち同士が衝突する壁は、ローマの時代も現代もそう変わりません。パウロを見つめる神の眼は、そのまま私たちに向けられる眼差しなのでしょう。

ただ、時は既に終末期。パウロの歩みは、そのまま私たちのお手本だ。内住のキリストにどのように向き合い、どのように従い、たとえどの様に反することをしても正しい取扱いを受けるというメッセージ。「聖霊(パラクレイトス)」が「慰め(パラクレシス)」から出てきている言葉であることにも励ましを感じます。

そしてパウロが関心を置いたのは、常に「隣人」。そこを外さず、恵みに感謝し続けるなら、神の忍耐に限界はなく、訓練はされるとしても、執り成しの祈りは聞かれる。必ず。 そして、主がそうした様に、罪に寛容になるなかれ、悔い改めには寛容であれ。私たちの祈りが右にも左にもそれぬには、パウロが教会の行く末にここまで心を割いたように、主にある兄弟姉妹の相互理解も必要だし、怒りや悪しきものに囚われそうな時は、それはサタンの罠だと認識することも大切。

隣人に言葉を伝えたいが故に、発した言葉の責任も重大。天で香のように立ち昇る祈りを思い描き、ローマの凱旋のように終末期を歩んで行ければ。

信仰者にとって大切な警告も示唆もアドバイスも、今回もたくさん語られました。映像・資料を通して更に深くお学び下さい。




聴くドラマ聖書 | G&M文化財団
最後に優れた無料アプリの宣伝をさせて頂きました。 iPhoneでもAndroid機でも使えるこのアプリは、実は「新改訳2017」がそのまま入っています。 つまり、音声を聴かなくても、聖句を味わうことができるのです。 通常の無料アプリは、著作権が切れている口語訳であることが多いのですが、このアプリはここが違う点で、ルビもありますし、縦書き横書きも選択できます。
疲れたときに音声を聞くもよし、友人に教えるもよし、起床時就寝時に決まった時間だけ「ながら聞き」もよし、個人礼拝時の朗読をこれで代用するもよし、闘病中など集中して文字が読めないような状況での活用もよし…本当に様々な活用方法がありそうです。皆さんも、是非是非ご活用下さい。


感想

  1. 正される問題があった時、限界を超えた困難にあった時、どう処理するか。 パウロとコリント教会の間にある背景、状況も含めながら一つ一つ丁寧に解き明かして下さり、今日も有意義な学びを有り難うございます。内住のキリストを生かす歩みをしたいと思いました。

  2. パウロの伝道への思いがリアルに伝わってきました。コリントの手紙を書いた時のパウロの労苦、人々へのキリストの愛をもって伝道したことがよく分かりました。 本当に今日来れたこと、主に感謝‼︎フルダ先生、関わってくださった方々に感謝‼︎

  3. パウロがいかに神に忠実であったかがとてもよく理解できた。コリント教会に対するパウロの思いがよく感じられた。

  4. コリントへのパウロの思いが整理され、学べたので「コリント人への手紙」を第一と第ニ、通してじっくり読みたいと思いました。 キリストの「ご誕生」が盛大に祝われますが、それより大切なのは「甦り」であることを改めて知ることができました。

  5. コリントの信者に対する使徒パウロの愛と葛藤を強く感じました。私の中でパウロは強く厳しいイメージがありますが…しかしパウロ自身もまた、使徒としての苦しみや心配を抱えながら宣教をしているという姿に心動かされました。「赦しは、傷心を癒す」というメッセージも嬉しかったです。 また、最後に昨今の世界の情報にも言及してくださり感謝です。日本においてはなかなか知り得ない報道と解説、とても参考になりました。

  6. 今は、これから本格的になるであろうこの世の終わりに向かう現実を縮図として見ているとなれば、人は無力であるということを認識し、謙虚になり、個々に神を知り、心から神に依り頼むことを大切に思います。又、交錯する情報に右往左往することなく過ごしたいです。

  7. ヨシェルの会で、また宝物をいただいて帰って来ました。 先生のメッセージでは、力強く御言葉を語るパウロの信者に対する配慮、気遣いに気付かされました。命がけで怯むことなく、且つ、思いやりと気配りを持って奉仕ができるパウロ💓素晴らしい。また、今日は聴くドラマ聖書のアプリをご紹介いただき、早速朝晩の通勤時間帯で利用させていただいてます。ストレスフルな通勤時間が快適なものとなりました。感謝です😊。

  8. コリントの時代も今も様々な問題が教会や個人に起こる。 覚えておくべきはサタンの策略で、だまし、偽装、動揺をもたらす否定的な感情、混乱。 自己弁護、許さない心、誇り、偏見、自己中心、真理からの逸脱等に用心することだ。 神が苦難を通して信仰者を完成に導いてくださる!失敗しながらも万事を益として下さるという神に明け渡して歩もう。励まし合ってキリストの贖いと神の国を宣べ伝えたい。 日々の生活で散漫になっていた心を御ことばに引き戻すことができ感謝でした。