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第69回 使徒パウロの宣教 その32

レポート

2021年3月9日に第69回ヨシェルの会が開催されました。出席者は17名。

コロナ禍による非常事態宣言延長の中、再開後7回目です。キリストにある者、主につながっている者、すなわち「救われた者」への確信がテーマです。何がこの確かな救いから人を引き離すことができるのか。日々の暮らしの中で感じてしまう不安感、疎外感、絶望感…そんな「弱さ」に対する「解答」とも言える励ましの言葉です。パウロの力強い言葉が響きます。語られる師と参加/視聴して下さる皆様と主の導きに、只々心から感謝します。

今日のタイトルは「使徒パウロの宣教 その32」。

今回の「ロマ書8章」は、聖書の中でも特にそびえ立つとても大きな箇所です。様々な観点から考え、教えを読む毎に得られ、励ましを与えられる一章です。パウロという語り部は、かのペテロに「理解しにくい(IIペテロの手紙3:16)」と言わせた気持ちにさせつつ、熱心に確信を持って宣言するかのように書き続けます。

沢山の対比が出てきます。「肉」対「御霊」、「律法」対「恵み」。前者を横軸に、後者を縦軸とする二軸で考えたら分かり易いのかもしれません。それぞれ相反するものでありながら、人は両方に惹きつけられながら、キリストの愛と十字架を経て、「肉+律法」の世界から、「御霊 × 恵み」の世界へと、「滅びの束縛」から解放されて行きます。

その過程が「聖化」と呼ばれる細い道。しかもそこは、平安ばかりが続く穏やかな小道ではなく、苦難や困難が、訓練としての色彩も持ちつつ待ち構える崖の道です。神が守ってくれるからと言っても、苦難がなくなる訳もなく、かと言って神が共におられるからこそ過度に恐れを抱く必要もありません。「平穏と試練」「訓練と熟達」。楽で安易なものが輝いて見えるのも、肉の眼が故かもしれません。そして「死にゆく肉の体」と「永遠の命の体」の対比が重なります。パウロは、どちらが大切かと問うてきます。

更に「救われる」という養子縁組的な話(無条件)と、「報酬」としての相続の話(条件付き)も掛け合わせて例解します。パウロが、全ての信徒たちに栄冠の報酬を得て欲しいと切望する姿で迫ります。どうせ走るなら一等賞を目指そうよ、パウロは軽く誘うように「苦難」の道を指差します。苦難あってこその信仰の道だと言わんばかりに。

全てが「益」となるからといって、全てが「楽」な訳でもない。怠惰な自分が訓練は嫌だと駄々をこね、それでもパウロの様な生き方を格好良いと想う自分も居て…これも肉と御霊のせめぎ合いなのでしょう。明かりは燭台の上に置くべき。光を皆が見えるところに置き続ける歩み、伝道をし続ける人生の重みも決断も覚悟も改めて考えさせられます。

私は、師の語りを聴きながら、我が家にある木の置物を思い出していました。そこには「Joy is not the absence of suffering. It is the presence of God.(喜びとは、苦しみがないことではなく、神の傍にいることです)」と刻まれています。

自分の「肉」に頼ること無く、自分の決心によって神と共に歩み、信頼し強くなっていく。未だまだ道は続きます。諸々の相反するものに引っ張られながら、私たちの人生は揺れながら進みます。荒れる湖で、嵐も不信仰をも叱りつけた、主の姿も浮かびます。信仰者にとって大切な警告も示唆もアドバイスも、今回もたくさん語られました。音声動画・資料を通して更に深くお学び下さい。

PS.
このヨシェルの会では、配信しているメッセージの後に、実は質疑の時間があります。個人的な意見なども言いやすいように、配信分ではカットしているのですが、今回はここでも熱いやり取りがありました。神の国とは、千年王国とは、新天新地とは。聖書が一貫性がある書物だからこそ、核心部分に行けば行くほど、関連付く事柄が出てきます。読めば読むほど、一層複雑に感じつつ、それでいてシンプルな救いと励ましのメッセージしかない様にも映る…本当に不思議な「本(The Book)」です。

なお、お話しの中に出てきた「熱力学第二法則」は、様々な説明がありますが、下記あたりが読みやすい気がします。経済学の中でも一時期取り上げられたものでもありますね。ご興味があれば、どうぞ。

感想

  1. ローマ8章は何度か読んでいますが、こういう内容だったのかと改めて思いました。新しい発見もあり、所々「?」と思うところもあり、また、家で聴き直したいと思います。 神に依存することの大切さを今回は学ぶ事ができました。ありがとうございます。

  2. 迫害の時代に生き苦難の中にいる信仰者にとって、未来の栄光に焦点をあてること、キリストの栄光の「共同相続人」であるという確信は大きな力であり励ましだったと思います。
    自分の生活を振り返り、「罪と死の原理」と「命を与える御霊の原理」、どちらの方がより強く働いているのか?考えさせられます。神の御霊が住んでいてくださることによっての自由、命、力…与えられている特権に感謝。偉大な神さまの愛が注がれていることに喜びを感じます。自我によって自分自身がキリストの愛から自分を引き離すことが決してありませんように。「私たちは圧倒的な勝利者です!」というみ言葉を噛みしめ宣言していきます。
    今回もまた講師の情熱が伝わってきました。丁寧な講義に感謝します。

  3. キリストにある者とは、罪と死の原理から解放された者、そして御霊もキリストも神が召した人々を完成まで、うめいて執りなし続けてくださる。だから、キリストにある者はかの日に圧倒的な勝利者になることが約束されている。全てが神から発し神によって成り神に至ることを再確認できました。感謝します。

  4. 今日の講義は本当に内容が濃く、大切な箇所でありましたがあまりに多くの事柄が語られ、頭の中で整理ができない難しさを感じました。今一度、自分なりに整理し、かみ砕いて理解できるよう学びたいです。

  5. 今回の講義は盛りだくさんで…なかなかついていくのが大変でした。家に帰ってからもう一度聖書を読み、復習したいと思います。