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第72回 使徒パウロの宣教 その35

レポート

2021年6月8日に第72回ヨシェルの会がネット開催されました。

コロナ禍による非常事態宣言延長の中、会場は使えるようになりましたが、念のためネット配信とさせて頂きました。予断を許さないオリンピック直前状況、イスラエルのガザ停戦と政争混乱の予兆、「光」を確信しにくい状況が続きます。今回もイスラエルの現在と未来について、ロマ書11章11節から章末までを紐解きながら、私たちへのメッセージを探ります。語られる師と参加/視聴して下さる皆様と主の導きに、只々心から感謝します。

今日のタイトルは「使徒パウロの宣教 その35」。

異邦人には救いを、ユダヤ人には妬みを。苦難や苦境をも光に変える力ある業を見る思いで講義を聴きました。誤解を恐れずに書くと、今回の鍵は、異邦人宣教を召命と自認するパウロの「妬み」と神の「頑なさ」。

解説に聞き入ると、パウロの同胞への想いが、言葉の節々に感じられます。自らが語り導く中で救われていく異邦人たちを見つめながら、パウロ自身が一番異邦人に対してジェラシーを感じていたのではないかと思えます。こんな救いが同胞のユダヤの民に一刻も早く、強く、深く訪れますように。そんなパウロの祈りが熱意に変わり、より力強い宣教に駆り立てて行ったのではないかと夢想します。

そして幾度裏切っても、一度救うと約束したユダヤ人を、決して見捨てない神の「頑なさ」。離れた民への試練は備えられている、けれどそんな中でも信仰の燈火を消さない者たちをも残す。厳しくも温かい眼差し。聖句が学びの中で、脈打つように響いてきます。恐らく聴く者一人ひとりに異なった響き方をするのでしょうが、正しい枝に接ぎ木されて実をつけていきたいと思わされます。枝や接ぎ木のたとえが、どこか遠く感じるほど、私たちは便利な社会に生きていますが、改めて正統種と野生種の接ぎ木を考えると、神の手作り感が少し見える気もします。

ユダヤ人の横柄さが、イエスを拒み、それが異邦人への宣教へとつながる。そして異邦人のおごりが、ユダヤ人の生き返りにつながる。死人から生き返った子どもたちを、神は如何に喜ばれるのだろうか。そこに加えられる栄誉は如何ばかりか。幾度となく繰り返される愚かさと立ち返りを、未来まで見通せる神はどのように見つめているのでしょうか。

ユダヤ人の失敗が、いつしか自分の失敗に重なり、与えられた試練を思い出し、それでも備えられていた新しい道と光を思い出す。ユダヤ人の失敗が、いつしか国々の失敗に重なり、これからの道を危ぶみ、何に依り頼むべきかを改めて考える。パウロの同胞への想いほどに、案じる人がいるかを自問してしまう。遠いイスラエルの民と地を学びながら、気がつくと自分たちの周りのことを考えています。本当に聖書は不思議です。

つまづき、倒れる、根、枝、接ぎ木、高ぶり、ダビデ契約、ソロモン、たとえでの教え、イスラエルの盲目、時の印…散りばめられた言葉の中から、今日私に必要な言葉を拾い上げれれば。伝えるべき言葉を握りしめられれば。混沌としたこの世だからこそ、聖句が輝いて見えます。

まだまだ道は続きます。信仰者にとって大切な警告も示唆もアドバイスも、今回もたくさん語られました。音声動画・資料を通して更に深くお学び下さい。

感想

  1. 異邦人の使徒として立てられているパウロではありますが、しかし同胞イスラエル人の救いに対する熱き想いが伝わってきます。今回の箇所はこれまで比較的スッと読み流していたのですが…特に接ぎ木に関してとても深く掘り下げて説明してくださっているので、一旦立ち止まって、庭の木々を観ながらじっくり考察し理解が深まりました。選ばれた異邦人の数が満ちる時がいつなのか、イスラエルの民族的な救いはいつ起こるのか、それほど遠い未来ではないように思えます。堅く信仰に立ち続けたいと思わされています。
    イエスさまのたとえの真の意味を知るには、やはり明らかにしてくれる導き手が必要。聖書に記されている奥義に関しての理解を深めていきたいと強く願わされています。今日も貴重な講義に感謝すると同時に、これからの学びも楽しみです。今後ともよろしくお願いいたします。

  2. 神が選び愛するイスラエルという枝の折られたところに、神の計画と哀れみのゆえに接ぎ木されたキリスト者は高ぶり誇ってはならない、またそのイスラエルを虐げてはならない。 異邦人の数が満ちた時に来る再臨の日に、再びイスラエルはすべて神に立ち返り、共にメシヤの国に住まわせていただくのだから。キリスト者は謙虚に神の恵みの中にとどまることを忘れてはならないと教えられました。感謝です。

  3. 今回の学びも各節ごとに丁寧に説明してくださり、とても解りやすかったです。 最後にガザ地区でのハマスのイスラエル攻撃や新政権についても触れてくださり感謝でした。日本のメディアでは中東問題に関しての情報があまり伝えられない中で、気になっていたことです。神は契約を厳守されるお方。イスラエル人であれ異邦人であれ、全ての人が主の憐み・救いの対象であること。神の賜物と召命とは変わることがなく、主のご計画が必ず成就するということに希望があります。講師の信仰と情熱に勇気をいただきました。ありがとうございました。

  4. 前回に引き続きイスラエルの救いに関する解き明かしの講義。パウロの熱い思いを更に受けとめることができました。イスラエルも異邦人も神に不従順の時があり、今はイスラエルの不従順により神の憐れみは異邦人、全人類の救いへと神のみわざはなされている。神は不従順さえも用いて神のご計画をなされる。そしてイスラエルの救いについても異邦人の数が満ちる時まで残された民を用意しておられ、彼らを通してイスラエルを救おうと計画されている。 この素晴らしい奥義に対してパウロが神をほめたたえずにはいられない33節~36節が心に響きました。