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第86回 ヨハネの黙示録 その8

レポート

2022年9月13日に第86回ヨシェルの会が開催されました。出席者は13名。

人の世の喧騒をよそに、世界は一歩一歩確実に秋色に染まっていきます。様々な混乱を意識しつつ、どれもこれも終末期の予兆に感じてしまいがちですが、自然界が御手の中で静かに回っているのも事実で、勇気も貰います。今回は、創世記以前から、迫り来る終末期までを俯瞰する旅が始まります。同時にサタンの思考パターン分析にも触れます。幾つもの聖書の物語を重ね合わせて聴くことが出来ました。語られる師と参加/視聴して下さる皆様と主の導きに、只々心から感謝します。

今日のタイトルは「ヨハネの黙示録 その8」。

学ぶ聖書箇所は、ヨハネの黙示録11章19節から13章の終わりまで。読者の気が滅入り、冷静さを欠くといけないと配慮してか、総集編のように大きな流れが簡潔に記されはじめます。時間の飛び方が、神視点なのでしょうか、時々「今どこにいる?」と考えながら読む必要がありそうです。

イエスが群衆に語ったように、喩えが重なり合っているようにも感じます。当初の登場人物は三人、竜と女とその赤子。ストーリーはシンプルです。竜は子の命を狙っていて、女はそれを阻止しようと必死で抗います。神の備えの状況を考えると、その子が食べられた時点で、ゲームオーヴァーです。一見ファンタジー(お伽話し)に見える物語は、ほんの小さな鍵を差し込むだけで、全く別の景色を見せはじめます。幾つかの単語の端々が、聖書の端々の記述とリンクして、見た目の言葉以上に壮大な物語が横たわっています。

最初の鍵は「十二の星の冠」。ヨセフの夢を思い出させます。神に選ばれし者が、神に選ばれし「民」の救済へと繋がる聖書の流れに思い至ると、女が神の選んだ民(イスラエル)であることに気が付きます。イスラエルからの「子」が「鉄の杖をもってすべての国々の民を牧することになっていた」のであれば、「子」の誕生は「初臨」です。

竜がサタンであり、エデンの園でエヴァをそそのかした蛇と同じであることも、ここで明かされます。何故か私たちは先に「蛇=サタン」と思って創世記を読み始める傾向があるようですが、実は聖書は創世記の「蛇って誰?」という謎を、最終巻である黙示録で解くのです。そして聖書の秘密は、全て聖書自身が明かしてくれます。まさに「聖書は聖書が解釈する」です。

喩え的な表現が続きます。逃げ惑う女、執拗に追う竜。天上の戦いと、地と海へと堕とされる敗走サタン軍団。そして、たとえ地が災いにまみれようとも、奇蹟的な守りが常にあることの描写…。

ハリウッド特撮映画のような場面の奥に、聖書の名シーンも浮かんできます。ヨセフの夢解きや苦労、モーセの苦難、皆がゴリアテを恐れる中に光るダビデの信仰、ダビデの逃避行、イエスの受難…。聖書理解が進むに連れ、各聖句が共鳴するように、その深さを増していきます。

同時にサタンの指向性も見えてきます。結局のところ、サタンは「拝んで欲しい」のだと読めます。荒野でイエスに投げかけた「三つの誘惑」も、最終的には「もしひれ伏して私を拝むなら(マタイ4:9)」と罠を張ります。創造する力を持たず、模倣するだけのサタンが、神に代わって拝されることを願い続けている。最高位にあった天使が神に逆らい、地に堕ちて行きながらも、「人」からの評価に固執する姿に、哀れさを感じざるを得ません。

そして残念ながら、サタンのDNAを受け継いでしまった人間たちが、この世にいるのも現実です。パワハラ事件やブラック企業が亡くならないのは、こうした「拝まれたい欲求」に根があるからかもしれません。聖書の物語は、遠い天の話でも、異国の物語でもありません。神を信じる血脈が脈々と続くように、サタンの血脈も続き、この世で戦いが続いているのでしょう。

そんなことを考えていると、イエスが弟子に喩えの解き明かしをする際の言葉を思い出します。「わたしが彼らにたとえで話すのは、彼らが見てはいるが見ず、聞いてはいるが聞かず、悟ることもしないからです(マタイ13:13)」。はたして、私たちは見えているのでしょうか、聞けているのでしょうか。そして背中を押すような言葉が記されています、「耳のある者は聞きなさい(黙示録13:9)」。繰り返し何度も何度も目にした言葉が重く響きます。聖書は聖書が解釈する、もっとしっかりと学びたいー火が灯ります。信仰者にとって大切な警告も示唆もアドバイスも、今回もたくさん語られました。音声動画・資料を通して更に深くお学び下さい。

感想

  1. ヨシェルの会も9年目を迎えられたとの事。この働きがますます主に祝福されますようにお祈りいたします。 今日の講義は艱難期後半の三年半、サタンが天界から投げ出され、地上で汚れた三位一体となり、神の民撲滅のための策略が詳細に書かれてる箇所。サタンの策略は艱難期に向けて、ありとあらゆる方法で神の人類救済を阻止しようとしているのだなと講義を聞きながら思いました。異常気象による洪水、干ばつ、食糧難、難民、エネルギーや経済の流れの変化、今までにない早いスピードで世界が変わりつつあり、戦争や無秩序、混乱が拍車をかけていっているようで、人間社会の全ての構想が揺さぶられている気がしています。そして、その先にあるのが「世界統一政府」になるのかと。聖徒らは信仰を維持し、忍従する。神の絶対的守りを信じて。ペトラという霊的な避け所が約束されていることを学べて感謝でした。

  2. とても難しかった。今は女(イスラエル)が産んだ男の子(キリスト)が天に引き上げられた出来事とその女が将来神によって匿われる時間の流れの間にある。サタンである竜は地では産まれた男の子を食い尽くそうと待ち構えるが失敗し、今度は女の子孫の残りの者と戦おうとして出て行った?また天ではミカエルとの戦いに敗れて遂に地上に投げ落とされたとあり、これは既に起こったの?それとも患難期の中間あたりに起こるの?などがよくわからず、次回以降の学びを通してできれば答えを見つけたい。ただ、迫害も含めてすべてが神の許しなしには起こらないと再確認できて主を褒め称えた。学びに感謝します。

  3. サタンは自分では何も創り出すことは出来ず神の真似事をする。汚れた三位一体:竜(サタン)、海からの獣(反キリスト)、陸からの獣(偽預言者)に関しての説明は興味深かったです。混乱しがちな箇所ですから、自分なりにもう一度整理して理解を深めたいと思います。患難期に起こる数々の悲惨な出来事、教会への迫害をも神意として忍従することの覚悟が問われます。しかし、どのような事が起ころうとも、神の民には守りが約束されていることは慰めです。最後まで信仰を維持できるよう祈り求めます。

  4. 汚れた「三位一体」の枢力、ネロ・シーザーの支配、現在世界にも変わらないサタンの憎むべきもののこの世を感じます。しかし7には勝てなかった。「耳ある者は聞きなさい」はまさに地上にある者への勧告ですね。サタンの言葉だけ住来しています。自分に関係ないものとして。

  5. とても難しいところ(章)でしたが、今日の聖書箇所を読み直して学びなおしたいです。みことばに根づいた信仰をもっていきたいと思います。ありがとうございました。